技術が新市場を切り拓く!元外資系コンサルタントとの1時間で「限られたリソース」を最大活用する戦略策定

昨今、グローバル競争の激化やデジタル化の進展に伴い、企業が直面する環境はますます複雑化しています。中小企業であっても、技術や品質という強みを活かしながら新たな市場機会を模索する必要に迫られています。しかし、未知の領域に挑戦する中で十分な知見がなく、取り組んでいる施策が果たして正しいのか、本来何をすべきなのかという不安が拭えず、従来の手法では成果が出づらいという現実があります。

そうした問題に直面する長野県の精密部品メーカーA社は、コンパスシェアを通じてコンサルタントに事業の相談をしました。業界のトップクラスのコンサルタントY氏と対話する中で、A社はどのような「一手」を見出したのか。相談を通じて浮き彫りとなった、現状の課題やその解決プロセス、そして実際に得られた成果について、代表のS様にお話を伺いました。

目次

短期間で戦略を見直すツールとしてスポットコンサルを選択

御社の事業内容と事業が直面する現状について教えてください。

弊社は精密部品や機械用コンポーネントの製造に長い歴史を持つ中小企業です。特注部品や小ロット生産が強みで、自動車、工作機械、精密機器向けに高い技術力と品質を提供してきました。

しかし、近年のグローバル競争やデジタル化、そして顧客ニーズの多様化により、従来の長期取引だけでは将来に不安が生じ、限られた生産設備と人材の中で新市場開拓と既存市場の維持の両立が求められるようになりました。

そのような状況の中で、なぜ今回の1時間スポットコンサルを選ばれたのでしょうか?

従来は動画制作や展示会出展など、さまざまな施策を試みましたが、明確な成果に結びつかなかったため、短時間で戦略の見直しができる方法を探していました。そこで、コンパスシェアを通じて、マーケティングや経営戦略に精通した元外資系コンサルタントの方に相談することに決めました。

顧客像を明確にし、具体的な価値提案を実施するプランを提示

実際のコンサルティングでは、どのような流れで進められたのですか?

まずは、弊社の製造プロセスや技術、既存の販路・営業活動について詳しくヒアリングが行われました。そこで、特殊な加工技術や品質管理といった強みは評価される一方、従来の営業方法が現状の市場ニーズに十分対応できていないことが明らかになりました。さらに、私自身が「どこに注力すべきか」といった漠然とした不安も整理されました。

具体的には、どのような課題が浮き彫りになったのでしょうか?

コンサルタントとの対話を通じて、大きく二つの重要課題が整理されました。

1つ目は、ターゲット市場の選定が不透明で、どの業界・市場セグメントに注力すべきかが見えていなかった点です。自社製品の技術的優位性や高品質な製造プロセスは認められているものの、製品の価値がうまく適合する顧客像を整理しきれていませんでした。

2つ目は、技術や品質を十分に伝えられていない営業資料や提案書により、顧客に対して具体的な価値提案が不足していたことです。特にターゲットとする顧客のニーズに沿う形で、弊社製品の優れた技術や品質を効果的に伝える営業が実現できていなかったところが浮き彫りになりました。

その課題に対し、担当コンサルタントからはどのようなアクションプランが提示されたのですか?

まずターゲット市場の明確化を最優先とし、既存の市場調査データをもとに、成長性と収益性が高い市場セグメントをリストアップする提案をいただきました。具体的には、自動車や精密機器に加え、医療機器や半導体製造装置など、技術が評価されやすい分野に注目して優先順位を付けました。

また、各ターゲットに合わせた新しい営業資料の作成や、アウトソーシング、内部リソースの再配置、試験的な営業キャンペーンの実施といった、実行可能な短期アクションについても、アドバイスをいただきました

短時間の相談が具体的な行動に繋がった

今回の相談の結果として、どのような成果が得られたのでしょうか?

コンサルタントの助言を受け、その後すぐに市場調査担当を新設し、重点市場の候補リストを作成しました。自動車・精密機器だけでなく、医療機器や半導体装置向けの市場分析も進めています。

さらに、各市場に合わせた新たな営業資料の策定や、社内ワークショップを通じて「プレミアム価値」の訴求や価格戦略の見直しが実施され、迅速な実行体制が整いつつあります

今回のスポットコンサルの効果について、どのようにお考えですか?

非常に満足しております!短時間で次の具体的なアクションプランが明確になったことで、弊社の不透明な課題が整理され、即座に実行に移せる戦略が得られました。これにより、今後の成長に向けた大きな一歩となりました。
今後の取り組みを進めるにあたって、Y氏には定期的に相談させていただくつもりです。

本日は、A社代表のS様の新市場挑戦と、1時間のスポットコンサルによる効果について詳しくお話を伺い、ありがとうございました。今後のさらなるご発展を期待しております。

担当コンサルタントY氏のコメント(38才、大手戦略系コンサルティングファーム在籍)

A社代表のS様は、従来の営業手法が現状の市場環境にマッチしているかどうか、またどの市場に注力すべきかが見えず、『次に何をすべきか』という漠然とした不安を抱えていらっしゃいました。

そこで私は、まずS様の声を丹念にヒアリングし、具体的な悩みや疑問点を洗い出しました。その上で、過去の実績や顧客データをもとに、シンプルなフレームワークを使って市場の選択肢を整理。各市場の特性や成長性を数値や具体例を交えて視覚的に提示することで、S様ご自身が納得できる形で次のアクションプランの候補を明確化できるようサポートしました。

今回の相談を通じて、経営者と直接向き合いながら、次の一手を明確にする瞬間に立ち会えたことが非常に光栄に思います。大手戦略コンサルファームではなかなか実現しづらい、経営者との密な対話と直接的な意思決定の場に立ち会えた経験は、私にとって大変貴重でした。

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