最近では、スマートフォンが普及し、WebサイトやSNSなどさまざまなデジタルチャネルを活用してユーザーが情報を集められるようになりました。そのため、企業側は適切な情報を提供し、ユーザーに価値を届けることが重要となっています。そこで活用できるのがデジタルマーケティングです。
もちろん、やみくもにデジタルマーケティング活動を行うだけでは効果が得られないため、適切なプロセスを踏んで進めていくことが大切です。そこで本記事では、デジタルマーケティングのプロセスについて解説していきます。
デジタルマーケティングとは?

デジタルマーケティングとは、デジタル技術やオンラインプラットフォームを活用してマーケティングを行うことです。検索エンジン・Webサイト・SNS・メール・アプリなど、さまざまなデジタルテクノロジーを活用して運用します。
また、デジタルマーケティングとよく似たものとして、Webマーケティングがあります。デジタルマーケティングはWebマーケティングの上位概念にあたり、デジタルマーケティングのうちWeb上の施策に絞ったもののことです。 Web上の施策に絞ったものをWebマーケティングと呼びます。
つまりユーザーがデジタルを通じて起こすさまざまな行動を網羅し、分析するのがデジタルマーケティングです。網羅 しているのがデジタルマーケティングとなります。
デジタルマーケティングを行うメリットとは?

さまざまなマーケティングがあるなかで、デジタルマーケティングを行うメリットとはどんなものでしょうか。ここでは、デジタルマーケティングを行う4つのメリットをご紹介してきます。
工数削減が期待できる
オフライン/オンライン での作業がWeb上に切り替えられる場合は工数削減につながります。例えば、カタログの作成や配布などが必要な場合は、Web上で行えば依頼や郵送などの工数を削減可能です。
予算を抑えられる
また、従来のマスマーケティングに比べて少ない予算でもマーケティング活動ができます。 工数削減と併せて、予算もかかりにくいのがデジタルマーケティングのメリットです。
ユーザーとの接点を増やすことが可能
デジタルマーケティングを使用すれば、オフラインだけではなくオンラインでもユーザーと接点を持つことが可能です。また、新規ユーザーを獲得するだけではなく、既存ユーザーとの関係を強化するための情報提供や特典提供も簡単に行うことができます。
さらに、デジタルマーケティングを行うことでチャネルを増やすこともできるため、業績に良い効果をもたらす可能性が広がるのも魅力です。
リアルタイムに効果を感じやすい
ほぼリアルタイムで効果を確認できることもデジタルマーケティングのメリットです。広告キャンペーンやコンテンツの効果を、Web広告の管理画面やアクセス解析できるツールを使用することで簡単に確認できます。
例えば、オウンドメディアでマーケティングを行った場合には、アクセス数やPV数などがリアルタイムでわかるほか、流入経路やCVR (コンバージョン率)などもわかるため、そこから分析することが可能です。また、効果が期待通りでなかった場合には、迅速に対策を考えて実行できます。
さらに、同じ広告やコンテンツなどを長い期間表示しているとユーザーに飽きられてしまう場合もあります。移り変わりの激しい現代社会において、いち早く現状を確認して改善策を施すことは重要です。
過去のデータをもとに分析や改善が可能
蓄積した過去のデータをもとに分析や改善を行えるのもデジタルマーケティングのメリットです。デジタルマーケティングを使えば、さまざまなデータを蓄積することができる上、過去のデータの分析も簡単に行なえます。
過去のデータの傾向からマーケティング活動を行うことで、より根拠のある施策を考えることが可能です。また、これから行おうとしている施策についても、過去のデータがあればどのような結果に結びつく可能性が高いか具体的に考えられます。
デジタルマーケティングのプロセス

デジタルマーケティングを進めていくときには、以下の5つのプロセスがあります。
- 課題を整理し明確にする
- 調査と分析を行う
- マーケティング戦略の立案
- 取り組む施策を決める
- 施策・効果測定・改善アクションを行う
ここでは、それぞれについて解説をしていきます。
課題を整理し明確にする
デジタルマーケティングを行ううえで解決した課題を整理し、明確化する必要があります。
その際、もし課題が複数ある場合には、どの課題から取り組むべきか明確にする必要があります。課題に取り組む前に優先順位をつけ、できれば着手する順番も決めておくとよいでしょう。
ここで重要になるのは、数値として明確に課題を表すことです。数値として表すことで、実際にデジタルマーケティングを行った後に、課題が解決できたかどうか判断ができます。
例えば、「コンバージョン率を改善したい」という課題ではなく、「コンバージョン率が0.6%程度なので0.4%上げたい」などと具体的な数値で表すことが重要です。
さらに、「なぜコンバージョン率を解決する必要があるのか」など、具体的な理由まで明確にすれば、社内やチームメンバーと共有する際に根拠を持って伝えられます。
調査と分析を行う
次に調査と分析を行います。集めるデータはさまざまですが、製品やサービスを購入しているユーザーの年齢や性別などの情報・製品やサービスのチャネルなどがあります。
データを集めたら分析を行いましょう。顧客の情報やどの店舗でどんな製品が売れているかなど、データの傾向について分析を行います。
マーケティング戦略の立案
データの調査と分析を行い、データの傾向を掴んだらマーケティング戦略を考えます。マーケティング戦略を立案する際には、以下のステップを考慮することが大切です。これらのステップを進めていくことで効果的なマーケティング戦略を構築することができます。
目標の設定
まず、具体的な目標を設定します。売上の増加や顧客数の増加など戦略の焦点となる目標を明確にします。
例:1ヶ月あたりの売上を10%増加させる
ターゲットオーディエンスの設定
製品やサービスを提供する対象を詳細に定義します。年齢・性別などだけではなく、行動パターンやニーズも考慮して設定しましょう。
例:20代後半〜30代前半で都内や都内近郊に住む独身女性
各種分析
上記の内容をもとに分析を行います。分析方法としては下記がおすすめです。
- STP分析
市場を細分化し、狙うべき市場を定め、自社の立ち位置を明確化するための分析方法 - SWOT分析
自社の強みと弱み、マーケティングにおけるチャンスなどを洗い出してかけ合わせる分析方法 - 4P&4Cの確認
企業目線と顧客目線で製品やサービスのことを把握するための要素
KPIの設定
目標達成度を図るためのKPIを設定します。その際は具体的な数値で示しましょう。例えば、売上高をKGIとした場合のKPIは、新規顧客数・新規見込み顧客数・アポイント数・商談数などになります。
KPI達成のために計画を考える
KPIを達成するためにどのような施策を行うか計画を立てます。
取り組む施策を決める
マーケティング戦略をもとに、どのような施策を行うか決めます。デジタルマーケティングにおける施策の例は下記となります。
- デジタル広告
- SNS広告
- オウンドメディア
- SEO
- SNS
- メールマガジン
- LINE公式アカウント
- アプリ
それぞれの施策にはメリット・デメリット があります。また、今抱えている課題に合うかどうかや、各施策のメリット・デメリットについては専門家の意見を聞きながらも考えながら、どの施策を行うか決める必要があります。
施策・効果測定・改善アクションを行う
最後に施策を行います。施策を行った後には、どのような効果があったか測定することも大切です。効果測定を行うことで、目標を達成できているかどうか確認することができます。
目標を達成することが難しい場合や予想よりも遅れている場合には、効果測定の結果をもとに改善アクションを行います。改善アクションの効果測定も行い、施策の実行・効果測定・改善アクションを繰り返しながら目標に向かっていきます。
まとめ
デジタルマーケティングを成功させるためには、適切なプロセスを進めていくことが大切です。また、施策実行後にも効果を測定し、改善アクションを行っていく必要があります。やみくもに進めるのではなく、ステップを踏みながらデジタルマーケティングの施策を行っていきましょう。