〈コンサルタント向け〉コンパスシェアWEB相談の進め方

コンパスシェアでは、コンサルタントの皆様に、一回きりの相談に終始せず、複数回の相談を通じて依頼者の本質的な課題解決をサポートいただくことを推奨しております。​

企業経営においては、1時間のスポットコンサルだけで、注力すべき経営課題が完全に解消することはまずありません。また、企業の継続的な成長を阻害する課題は複数あり、フェーズが進むにつれて新たな課題も発生します。そのため、依頼者の悩みへの直接的なアドバイスを提示するだけでなく、コンサルタントが相談の場をリードし、手をつけるべき本質的な課題の特定や解決へのアプローチを示すことが重要です。​

上記を踏まえ、本記事では、コンサルタントが依頼者とのWEB相談を継続的なセッションへと発展させ、依頼者の真の課題解決に寄与するための重要ポイントをご紹介します。​

目次

WEB相談の場を成功させるポイント

依頼者のサービス利用目的は「事業成長のための有効なアドバイスが得られること」にあります。そのためには以下項目を押さえて、WEB相談の場を進めることを推奨します。​

①アジェンダを切って、WEB相談のゴールイメージを伝える​
②話をしやすい空気づくり~ヒアリングに多くの時間を割く
③課題整理/優先順位付けの理由をお伝えする

④ネクストアクション及び、ネクストアクションで出る課題を予告する​​

アジェンダを切って、WEB相談のゴールイメージを伝える​

WEB会議での壁打ちをご経験したことのある方はほぼおらず、「どう進めるか」に不安を感じながらにWEB相談に参加される依頼者が大半です。当日のアジェンダをお伝えすることによって、WEB相談のイメージをつけさせる/安心感を与えることが大事です。​

話をしやすい空気づくり~ヒアリングに多くの時間を割く

アイスブレイクや、限定質問から始めることで回答しやすい状況を作るなど、依頼者が話をしやすい空気づくりをすることにより、依頼者の事実を多く集めてください。事実を踏まえて整理することで、お客様の満足度が高まります。

課題整理/優先順位付けの理由をお伝えする

サービスをご利用される依頼者の中には、ご自分で課題抽出/課題の構造化/優先順位付けができていない方が多くいらっしゃいます。課題整理/優先順位付けの理由をお伝えすることにより、納得度が高まります。​

④ネクストアクション及び、ネクストアクションで出る課題を予告する

ネクストアクションをその場で決め、その際に注意すべき事項(次の課題)をお伝えいただくことで、皆様への信頼感・クライアントの満足度が高まります。​

WEB相談のアジェンダ例

下記は、各WEB相談ごとに設定する具体的なアジェンダ例です。各回の進行内容を明確にすることで、企業との対話がスムーズに進行し、継続相談として一貫したアプローチが可能となります。

初回相談:現状ヒアリングと課題の明確化

アジェンダ項目時間(目安)詳細
自己紹介・アジェンダ説明​​5分経験やスキルなど簡潔に紹介してください。​
個人として行うコンサルティングのため、所属企業の紹介などは不要となります。​​
企業概要・現状のヒアリング30分​依頼者を知ることが相談満足度につながる最重要ポイントとなるので、企業の背景、ビジョン、現状などを詳細にヒアリングしてください。​
課題の整理と優先順位付け15分ヒアリングに基づき重要課題を抽出し、課題の優先順位の検討・すり合わせを実施してください。​
認識のすり合わせと課題解決の方向性提示10分整理された課題について深掘りが必要なポイントを確認し、​
課題解決に向けた全体的な進め方を共有してください。​

二回目相談:課題の深掘りとアクションプラン検討

アジェンダ項目時間(目安)詳細
前回内容の振り返り・フォローアップ​​5分初回相談の内容の再確認し、追加情報があれば併せて確認してください。​
課題の詳細検証と原因分析30分詳細な情報を収集し各課題について掘り下げ、筋の良いアクションにつながるような本質的課題を明確化してください。​
アクションプランの方向性検討20分課題に対する改善案の方向性を提案いただき、双方の認識共有を実施してください。​​
次回への具体的検討事項の整理​​5分アクションプラン策定に向けてさらなる深掘りが必要なポイントや、その他確認事項をすり合わせてください。​

三回目相談:アクションプランの詳細設計と実行計画の策定

アジェンダ項目時間(目安)詳細
アクションプランの最終確認と修正​​5分前回話したアクションプランの方向性について改めて確認し、追加情報や修正事項あれば併せて確認してください。
アクションプランの詳細設計30分前回すり合わせた大枠の方向性をもとに、具体的な実施手順、タイムライン、リソース、担当者を詰めていきましょう。​
優先順位・実行計画の最終合意20分各課題に対する施策の実行優先順位を再確認し、双方の合意のもとで実行計画を確定してください。​
最終確認とフォローアップ計画の共有​​​5分決定した実行計画の内容を最終確認し、実施後の効果検証や定期的なフォローアップ体制の要否を確認してください。​

依頼者へのヒアリング事項集

以下、依頼者へのヒアリングについて、「事業内容のヒアリング」と「課題のヒアリング」の二つに分けて確認すべき事項をまとめております。

全てを網羅する必要はなく、課題の内容や話の流れで押さえられるポイントを取捨選択してヒアリングしましょう。

事業内容のヒアリング
提供されているサービス/商品の概要を教えてください。​
販売手法を教えてください。​
(実店舗での販売、EC、営業担当による個別提案、代理店販売・・・)
※複数の販売手法があれば、おおよその売上比も確認​
主にサービス/商品をお使いになられるのはどのようなお客様ですか?​
(若者/高齢者、男性/女性、個人/企業、地元/全国・・・)​
サービス/商品について自信のあるポイントを教えてください。​
逆に、改善すべきと考えている点があれば併せて教えてください。​
(相談者が代表者の場合)創業されたのは社長ですか、先代ですか?​
社長自身は今の立場を何年ほど務められていますか?​
(相談者が代表者以外の場合)ご相談者様の所属されている組織の​
ミッションは何ですか?予算や決裁はどなたが管理されていますか?​
従業員は何名ほどおられますか?おおよその年齢分布も教えてください。​
 ※ 相談者が代表者でなければ自組織の人数も併せてヒアリング​
売上や利益はどの程度ありますでしょうか?また、ここ数年の対前年での状況はいかがでしょうか?
※可能であれば増減の要因もヒアリング​
今後会社をこうしていきたいなど、お考えを聞かせてください。​
(従業員規模や売上拡大、上場達成、現状維持・・・)
課題のヒアリング
本日相談されたい課題について教えてください。​
その課題が話題に登ったのはいつ頃ですか?​
課題が生じた背景などあれば教えてください。​
過去、既に課題解決に向けて何らかの取組をされていれば教えてください。​
課題解決の検討はどなたが中心になって進めているのでしょうか。​
チームで行っているのであれば、メンバー構成(役職など)も教えてください。​
実際に課題解決に向けた施策を実行するのは同じメンバーでしょうか?​
異なる場合は実行されるチームのリーダやメンバーについても教えてください。​
関係する他部署や協力会社があれば教えてください。​
いつまでに●●しないといけないなど、決められたデッドラインはありますか?​
課題の解決に割けるコストについて、おおよそで構わないので教えて下さい。​
課題の解決において、何かしらマストとされる事項があれば教えて下さい。​
(協力会社は動かせない、まずは地元顧客からアプローチしたいetc)​
目次