デジタルマーケティングにおけるフレームワーク活用!種類も解説

<記事概要・ディスクリプション>

デジタルマーケティングにおけるフレームワークは、AISAS・カスタマージャーニー分析など、さまざまなものがあります。本記事では効率的に活用できるフレームワークをご紹介します。

デジタルマーケティングを進めるためには的確な戦略を考える必要があります。その際、効果的な戦略を考え、実行のサポートをするためにフレームワークを活用することが重要です。 そこで本記事では、デジタルマーケティングにおける主要なフレームワークをご紹介します。競争が激化するデジタルマーケティングにおいて必要なフレームワークの活用法や種類について知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

デジタルマーケティングにおけるフレームワークとは?

デジタルマーケティングを進めるときには、さまざまな視点から戦略を立て分析する必要があります。その際にフレームワークを使うのが一般的です。 フレームワークとは分析プロセスが確立されているマーケティング手法のことで、すでに成果が実証されているため、効率よく戦略を考えられたり分析できたりします。 リアルタイムで施策の成果やユーザー行動などがわかるデジタルマーケティングでフレームワークを活用すれば、課題を見つけ出し、速やかに問題を解決する糸口になるのでチェックしておきましょう。

デジタルマーケティングでの主なフレームワーク

デジタルマーケティングを考える際にはさまざまなフレームワークを活用できます。効率よく戦略を考えたり分析したりするためには、目的や用途に応じた適切なフレームワーク の活用が重要です。

以下で、デジタルマーケティングで使える主なフレームワークをご紹介します。

AISAS

AISAS(アイサス)は、Attention(注意)・Interest(関心)・Search(検索)・Action(行動・購入)・Share(共有)の5つのプロセスから構成されているフレームワークです。製品の情報を雑誌やテレビなどのマスメディアから得る場合に使われるAIDMA(アイドマ)の派生であり、インターネット上の購買活動要素を加えています。

消費者がなんらかの商品の購入やサービスの利用に至る行動について、一定のパターンとして整理したモデルがAISASとなります。

AIDMAとの大きな違いは、主に検索と共有の2項目です。顧客は欲しい製品情報をインターネットから簡単に得ることができるようになりました。さらに、製品を購入後にInstagramやX(旧Twitter)などのSNSや口コミの投稿をできるようになり、そこからも購買行動が発生します。 もちろん、SNSや口コミで投稿される内容はポジティブなものばかりではないため、AISASを運用する際にはネガティブな意見に対する対応も重要です。

  • Attention(注意)
  • できるかぎり多くの見込み顧客に情報が伝わるように発信し、商品やサービスを認識してもらいます。
  • Interest(関心)
  • 商品やサービスを認知した見込み客が、興味や関心を持つ段階。ターゲットに合わせた発信を行うことで効果が得られます。
  • Search(検索)
  • 商品やサービスに興味や関心を持った見込み客が自ら情報を集める段階。インターネットを使用し、類似品なども検索する可能性が高いようです。
  • Action(行動・購入)
  • 商品・サービスを検索・比較した見込み客が実際に購買に至る段階。
  • Share(共有)
  • SNSや口コミ、レビューなどで情報を共有する段階です。

RACE

RACE(レイス)とは、Reach(リーチ)・Act(行動)・Convert(コンバージョン)・Engage(エンゲージ)の4つから構成されるフレームワークです。Webマーケティングと相性が良く、顧客へのアプローチから関係維持までの関係性を作っていくために使われます。それぞれのフェーズは下記となります。

  • Reach(リーチ)
  • このフェーズでは製品やサービス、ブランドに関心を持ってもらうことが目標となります。この目標を達成するためにオンライン広告・SNS・SEOなどの施策を行います。
  • Act(行動)
  • ユーザーがWebサイトの訪問・メルマガ購読・SNSフォローなどをするように、情報を発信したり見やすいサイトを設定したりします。この施策により、ユーザーは製品を探し購入の検討をします。
  • Convert(コンバージョン)
  • ユーザーが製品やサービスを購入するフェーズとなります。また、レビューもコンバージョンのフェーズとなります。
  • Engage
  • ここでは継続的なエンゲージメントを促進する施策を行います。顧客サポートやSNSでの交流を通じて顧客と長期的な関係性を築きます。

See-Think-Do-Care

See-Think-Do-Careは、Googleが提唱するフレームワークで、消費者の購買サイクルを理解し、各フェーズに対して最適なマーケティングメッセージを提供することを目的としています。See-Think-Do-Careでは、以下の行動を取ります。

  • See(見る)
  • ターゲットとなる顧客の行動を観察する。
  • Think(考える)
  • ターゲットとなる顧客の行動を考えること。
  • Do(実行する)
  • 考えた計画を実行する。
  • Care(ケアする)
  • ターゲットのその後の動向を見守ること。

TOFU, MOFU, BOFU

TOFU・MOFU・BOFUは、広いユーザー層から購買層へと導く過程の中での顧客ステージを表す言葉です。顧客ファネルを示すために使われており、それぞれ異なる段階の顧客に焦点を当てるアプローチを意味しています。ここではそれぞれのフェーズについて解説します。

  • TOFU(Top of the Funnel)
  • TOFUはファネルの上位に位置する興味・認知フェーズのことです。ここでは顧客に関心を持たせ、製品やサービスの認知を広めることが重要となります。
  • MOFU(Middle of the Funnel)
  • ファネルの中間部分に該当する評価・比較フェーズです。顧客が製品やサービスに関心を持ち、具体的に購入の検討をし始めています。
  • BOFU(Bottom of the Funnel)
  • 考えた計画を実行する。

STP

STPはSegmentation(セグメンテーション)・Targeting(ターゲティング)・Positioning(ポジショニング)の3つからなるフレームワークです。下記では、それぞれについて解説します。

  • Segmentation(セグメンテーション)
  • Segmentationは、市場の細分化を示しています。市場にどのような顧客がいるか把握することで、どのような顧客をターゲットにするか考えることができます。
  • Targeting(ターゲティング)
  • Segmentationで細分化した市場でどこを狙うか決めます。
  • Positioning(ポジショニング)
  • ターゲットとした市場においてどんなポジションを狙うか決めることです。軸としては価格帯や品質、デザインなどが考えられます。

カスタマージャーニー分析

カスタマージャーニー分析とは、顧客が製品やサービスをみつけて購入するまでの行動や、購入後のサービス利用や再購入までの一連の流れを分析するフレームワークです。

顧客のニーズを知るためには、顧客の行動した内容を知ることも大切ですが、商品・サービスを探す、比較検討する、購入を決めるといった各フェーズで、顧客が何を考え、どう行動したのかを時系列でマップ化することで行動に至った理由や思考まで把握 することも重要となります。カスタマージャーニー分析を活用することで、今まで把握できていなかったユーザー行動を明確にすることが可能です。

一方でカスタマージャーニーは、「時代遅れ」「古い」などといわれることもあります。特に、デジタルマーケティングにおいては顧客がインターネットを通じて得られる情報量が多いため、カスタマージャーニー分析で予測したプロセスを踏まない場合があるためです。また、予測したプロセス間を何度も往復して、やっと購入に至る場合もあります。

しかし、プロセス間を何度も往復しているということは顧客が購入するプロセスを阻害している原因があり、これから改善の余地があるということです。そのような課題をみつけ、解決につながる施策を考えるうえでカスタマージャーニー分析は重要な役割を担っています。

実践的なデジタルマーケティングにおけるフレームワーク

デジタルマーケティングを勧めていくうえで戦略の見直しが必要になることがあります。以前はPDCAサイクル (Plan(計画)・Do(実行)・Check(測定・評価)・Action(対策・改善))を使用した改善方法が主流でしたが、最近ではPDRサイクルの需要が高まっています。

PDRサイクル

PDRサイクルとは、ハーバードビジネススクールのリンダ・ヒル教授が提唱したフレームワークです。準備(Prep)・実行(Do)・評価(Review)の3ステップから構成されています。スピードを重視しているフレームワークのため、Plan(計画)から始まるPDCAサイクルに対し、すぐにPrep(準備)に取りかかるため、PDCAサイクルに比べて実行の前段階が簡略化されているのが特徴ですされています。

最近では、トレンドやユーザーニーズが短期間で移り変わっていくのが当たり前となりました。そのため、短いスパンで回すことができるPDRサイクルの需要が高まりつつあります。特にデジタルマーケティングでは、リアルタイムでアクセス数やコンバージョン率などがチェックできるので、短期間でサイクルを回して継続することが重要となっています

また、PDRサイクルは一回限りのプロセスではなく、繰り返し実行して常に改善をし続けることで成果を最大化し続けられる傾向にあります。

まとめ

フレームワークは分析プロセスが確立されているマーケティング手法です。そのため、効率よく戦略を考えられます。また、デジタルマーケティングにおけるフレームワークには、さまざまなものがあります。 目的に合ったフレームワークを活用して、的確に分析や戦略を考えましょう。

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