包装技術で挑戦!​やることを整理して新市場の開拓へ​

食品包装資材の製造・販売事業を運営するS社。長年にわたり茶の酸化を防ぐバリア機能を持つ紙パッケージを強みとして、日本茶メーカーに製品を販売をしてきましたが、当該市場の成熟化とともに、一層の受注拡大が困難な状況に陥っていると語ります。

そんな中、S社代表のD様はコンパスシェアを活用し、戦略コンサルタントM様に今後の販路拡大に向けた施策について相談。以下ではM様と相談する中でどのようなアクションプランを描いたのかについて、その意思決定の詳細を探ります。

目次

既存顧客への依存脱却の取り組みについてコンサルタントに相談

御社の事業内容と事業が直面する現状について教えてください。

弊社は、日本茶の品質を守るために特化した食品包装資材の企画・製造・販売を行っております。茶葉の酸化を防ぐバリア機能を持つ紙パッケージや真空包装、アルミブラインド加工など包装技術を採用した製品を提供しております。

従来の取引先は国内茶商や老舗の茶舗が主力ですが、国内市場の成熟で需要が横ばい傾向にあり、受注拡大が困難かつ原料高騰で利益率維持も難しい状況です。

そのような状況の中で、なぜコンパスシェアの利用を決められたのでしょうか?

現状の課題に対して、弊社はまず解決策の選択肢を整理する必要がありました。

具体的には、国内取引先への依存から脱却し、国内新規顧客層の獲得を図るか、海外市場の可能性を探るべきか、あるいは社内の営業力向上に努めるかという迷いがありました。そのため現場の事情を織り交ぜながら第三者的視点で戦略を整理し、どの施策から取り組むべきかを明確にできる強みがコンパスシェアにはあると感じ、相談することなりました。

まず集中すべきことが見えてきた:国内新規市場の開拓から着手

実際のWEB相談は、どのような流れで進められたのですか?

上記で述べた課題について、同じ戦略コンサルタントの方に、合計3回にわたるWEB相談を実施いたしました。

特に最初相談では、弊社の事業背景、製品の特性、取引実績、そして現状抱える経営上の悩みについて、マーケティングのフレームワークに基づき現状の棚卸しが行われました。製造ラインや各製品の特徴、国内取引先との受注推移、そして業界全体の動向―例えば、茶業界における若年層の嗜好変化や市場縮小の傾向―について、事例を交えて議論し、大枠で「製品差別化」「市場選択」「営業体制」の三つに課題を整理いただきました。

続く二回目相談では、重点課題として新規市場開拓に着目し、とるべきアクションプランを検討。そして三回目相談では各アクションへの具体的な実施手順、着手のスケジュール、また担当者の役割分担などロードマップを策定しました。

具体的には、どのような課題が浮き彫りになったのでしょうか?

相談を通じて、弊社の現状で特に重要な課題が明確になりました。

①市場ポートフォリオのが最適化されていない
国内茶市場依存度が83%で、リスクヘッジがされていないことが明確になりました。これは、主要顧客の発注減少により即座に業績が急落するリスクや、新商品提案や値上げ交渉の際に交渉力が著しく制限されるを脆弱さを生んでいました。

②“香り保持”技術の訴求力が弱い
高度な包装技術にもかかわらず、営業資料で示されるのは「体感的な鮮度保持期間」のみで、具体的な「酸素透過率○○cc/m²・24時間後の香気残存率○○%」などといった定量データが欠落しておりました。スペシャルティコーヒーや高級菓子メーカーなど新規顧客の開拓をするにせよ、「他社比較でどの程度鮮度保持が優れるのか」が示せず失注が予測されました。

③海外市場進出への準備不足
海外市場への展開を社内で検討していたものの、規制対応ラベルの詳細コスト、現地物流の小口輸送費、通関手続きや品質認証の要件、さらには現地顧客の購買慣習に関する定量データが一切整備されていませんでした。たとえ市場環境にチャンスがあったとしても、現状の準備状況では、海外進出の判断はそもそも難しいとの指摘をコンサルタントからいただきました。

その課題に対し、担当コンサルタントからはどのようなアドバイスが提示されたのですか?

コンサルタントからは、国内茶市場への依存度を下げるべく、新規市場開拓に取り組むべきとの指摘があった上で、以下のようなアクションプランが明確になりました。

①国内最重要市場の新規開拓
クラフトコーヒー焙煎所や高級和洋菓子メーカーなど、計100社を優先ターゲットリスト化し、香気保持率や酸素透過率の定量データを添えた小ロットのサンプルを無償提供、提案件数と試験承認率を月次でレビューする。

②営業活動における技術優位の見える化強化
第三者機関と共同で標準条件下の比較テストを実施し試験結果をまとめたレポートや動画デモを営業ツールとして刷新、営業担当者向けに定量データの読み方や提案トーク研修を実施する。

③海外進出への準備
FDAやEUなど食品接触材ラベル規制の調査を専門機関に委託し調査の委託先機関の選定を進める。

これらのアクションプランを段階的に推進し、国内開拓から海外展開まで一気通貫で取り組んでいくロードマップを策定しました。

成果を出す順序が明確化された:「海外進出」は検討段階

今回の相談の結果として、どのような成果が得られたのでしょうか?

相談からおよそ半年が経過し、現在社内の5人チーム体制で新規開拓と提案力強化に取り組んでいます。

これまで30〜40社に少量の試作品を送付し、約10社から「香りの持ち」「見た目の変化」といった感想と、簡単な測定結果を回収しました。そのデータはグラフや写真にまとめ直し、新しい提案資料に反映して営業先で説明しています。

また、営業担当向けに「どのタイミングでどの数字を示すか」をテーマに全3回の勉強会を開き、社内で共通理解を醸成しました。さらに、地元の小規模展示会にも出展し5件ほど商談機会を獲得、そのうち2社とは正式な試用契約に向けた社内調整を進めている段階です。

スポットコンサルの効果について、どのようにお考えですか?

「やるべきこと」と「やらないこと」が見える化され、経営会議の議論が具体的かつ迅速になりました。特に海外進出の検討を“準備”に落とし込み、国内で成果を出す順序が明確になった点は大きな前進です。

投資対効果には満足しており、今後は業務効率化や採用などのテーマでも、別のコンサルタントの方に相談してみたいです。

本日は、S社代表のD様に、三回にわたるスポットコンサルによる具体的な成果についてお話を伺いました。D様、誠にありがとうございました。
今後のさらなるご発展を心より期待しております。

ビジネスのプロと一緒に
「次の一手」を定める1時間を。

サービスにご興味のある方はこちら
(無料WEB相談実施中)

ビジネスのプロと一緒に
「次の一手」を見つける1時間を。

サービスにご興味のある方はこちら
(無料WEB相談実施中)
目次